「空、沙羅さん案内してあげなよ♪うち、材料とってこれるし!!サボっても大丈夫だよ!!」

そんな事・・・思ってもないけど・・・

「いいのか??」

「莉沙とかには誤魔化しておくから!!沙羅さんせっかく来たのに、空と一緒じゃなかったら意味ないじゃん??じゃあまた後でね!!」

「うん。」

やばい・・・泣きそうかも・・・。

好きな人の前で偽りの笑顔っていうのはキツイ・・・。

でも・・・こうしないと・・・。

空が好きなのは沙羅さんだから・・・。

奪いたいけど・・・そこまでできるほど自信はないし・・・

好きな人の幸せを願うのが・・・いいと思うんだ・・・

「はぁ・・・重いよ・・・やっぱし・・・。」

調理室に着き、材料を持っていこうとすると・・・重すぎて・・・

どうしよう・・・

2回に分けて持ってったら足りないし・・・。


ガラガラ・・・

「ん?」

「あ、誰かいたんだ。って・・・大丈夫??」

そこには1人の男の子がいた。

私のほうを見て、心配そうな顔をしている。

「ぁ・・・大丈夫です・・・たぶん・・・。」

「俺手伝おうか??」

「ぇ・・・でも・・・あなたも材料取りに来たんじゃ・・・?」

「いや?俺サボリに着ただけだし・・・準備室に。ここからじゃないと入れないから。」

「そうなんですか・・・」

サボリって・・・こんなとこじゃなくても、そこらへん見てまわればいいのに・・・

「露店の人でしょ??何組??運ぶの手伝うから。」

「あっ・・・えーと3組です・・・。」

「じゃあ昇降口から近くじゃん♪あんまし距離なくて良かったね??」

「ぁ・・・はい。」

それから私と知らない男の人は私のクラスの露店まで一緒に向かった。

露店に着くと

「瑞稀遅いって!!なんとかギリギリだけど♪」

「ごめんごめん!!」

「あれ?空くんは??一緒に行ったはずじゃ・・・」

あ・・・言い訳考えてない・・・。

でも莉沙なら分かってくれるよね・・・??