「「「空ッ!」」」

到着した瞬間3人に名前を叫ばれ、さすがにびっくりしたのか、空は

「うぉッ」

とかなりビビッていた。

すると、蓮哉が空の所へ行った。どうやら耳打ちで状況を説明しているらしい。


その時の先輩達はみんな気持ち悪いくらいに空にみとれていた。

こうなるとやっぱり実感するのは

空はもてる・・・ただそれだけで・・・・・。

それだけで・・・あたしの胸ははりさけそうな気持ちでいっぱいいっぱいになる。

そう思っていると、蓮哉と2人でこっちにくる空に気がついた。

空は私の横を通り過ぎると、先輩たちの前に立った。

先輩たちは至近距離で空を見れたのが嬉しいのか顔が真っ赤で仲間同士顔を見合わせながらキャアキャア言っている。

「ねぇ・・・」

と空が言った。

「何々??」

先輩たちは嬉しそうに返事をする。

「俺が夏休み、どこへ行こうと勝手じゃね?何でお前らに決められなきゃなんないの?」

「えっ・・・」

先輩たちの顔は一気に暗くなった。

「誰と行こうと勝手だよね?だってお前ら・・・俺の彼女でもなければ何でもないだろ?ただ同じ高校にいる異性ってだけじゃん。もううるさいから騒いだり追いかけたりするのもやめて。そんで、莉沙とかにも呼び出しとかしないでくんない?うざい。迷惑。」

「ぅっ・・・」

先輩たちの中の一人の先輩が泣いてしまった。まあ、仕方がないだろう・・・。

好きな人にここまで言われて平然に笑えるほど人は強くない。

私もこんな事言われてたら、きっと泣いて泣いて立ち直れない・・・。

そして・・・ちょっと複雑だった。

この4人を特別としておもってくれて嬉しい。だけど・・・空がこんな事言う人だとは

思わなかった。たしかに、さっきは先輩方が悪いし、空の言ってることがあっている。

うん・・・空は間違っていない・・・。

ただ自分にとって都合が悪かった・・・。私は彼女じゃない・・・”友達”なんだ・・・。

もし・・・私の気持ちがバレたら・・・友達にも戻れなくなって・・・”同じ高校に通ってる

異性”になってしまうのかな・・・?