少女は、最初に会った時のことを思い出すように空を見上げた。
それは2ヶ月前の事なのに、何故だか遠い過去のように思えた。

「私、樺羅さんの最初のイメージは堅物で真面目でクールな人かと思ってた。けど、全然違った。なんて言うか、明るくて子供っぽいとこもいっぱいあって、優しくて…」

「なんだよ…急に…」

彼は、困ったような顔をしていた。

「私ね………私…」

少女は、消えてなくなりそうな声で喋っていた。
その声は、太鼓の音ともに消えてしまった。

「すまない。聞こえにくいんだが…」

彼は、かがみ越しになり少女の口の近くに、耳を近づけた。