「むー…意地悪…!!」
「…ハハッ」
「………なんか…変わったよね。」
少女は、太鼓の音のする方へ視線を向けながら、微笑みながら呟いた。
「ん…?何の事だ…?」
彼は、不思議そうに少女を見た。
少女は、相変わらず視線を遠くへとやっていた。
「樺羅さんの事。
最初と全然違う風になった。」
「そうか…?」
彼は、自分でもそう感じていたが、あえて気づかないふりをしていた。
最初の頃は…食べ物とみていた。
人間に情なんて持てる訳がない。
そう思いこんでいた。
だからこそ、今 この混乱している時に、頭の中で自分にとって夜奈はどういう存在なのかとは考えたくなかったのだ。
「うん!
明るくなったって言うか…口調も変わったし。」