「ハハハッ…まぁな。今は20だしな。」

彼は,そう言いながら少女の方に目をやると,少女が持っていたかき氷に目が止まった。

かき氷は真っ赤な色をしていた。
血の色のように。

彼は,人間意外の食べ物の味をしらない。
苺味…もしかしたら血の味がするんじゃないんだろうか…。
彼は,そう思いながら,かき氷をじっと見つめた。

「20って私と4歳しか変わらないじゃん!って……え…?どうしたの?
かき氷…食べたいの…?」

少女は,不思議そうに彼に尋ねた。

彼は,その言葉にハッとし,首をブンブンと横に振った。
そんな訳があるはずない。
何を考えているんだ。
彼は,額に冷や汗をかいた。

「あ…いや,すまない。
ただぼんやりしていただけだ。」