彼は、ククッと笑いながら静かな声でそう言った。

「はぁ…。
すみません…ありがとうございます。」

そう言って男は,一万札をしまうと,少女に苺味のみつがかかったかき氷を渡した。
少女は,かき氷を受け取ると彼の顔を見た。

「かき氷代,後で返すね…?」

彼の隣でゆっくりと歩きながら,少女は申し訳なさそうにそう言った。

「いらねぇよ。
俺が子供に奢らせる訳ないだろ。」

彼は,からかい混じりに言った。

「ありがとう…!
でも子供じゃないもん…!
大体,あんまり歳も変わらないんでしょ…?!」

少女は,かき氷を口に頬張りながら,彼の顔を伺うように彼を見た。