「樺羅さん…!!!!!!」

少女が、吠えるような声で彼を呼ぶと、彼はハッとしたように、現実に戻った。
目が乾いたのか、目の奥に激痛がした。
目をこすり、今にもとじてしまいそうな瞼。だが、彼は少女が隣に座っていると解ると、有り得ない位に目を大きく見開いた。

「…良かったぁ…。やっと、起きた…。目を開きながら寝る人がいるって聞いたけど、本当にいたんだ…。」

目を開きながら寝ていた…?
いや、俺の場合は違う。
まぁ…撤回しない方のが、都合がいいから何も言わずにしておこう。
そう思いながら、彼は目をつぶって、両目のふさがれている瞼を指で軽くおした。

「すまないな…。」

彼はため息をつきなが、謝った。