「あ…うん…!
ありがとう…。」

少女は、そうお礼を言い、部屋から出ようとした。

「なっ…!
おいっ夜奈…!
お前なぁ…手ぶらで行ってどうすんだよ…。」

彼は、呆れたようにそう言った。

「え…?あぁ…!
そっか……!!…へへっ…」

少女は照笑いしながら、彼に買って貰った浴衣と髪どめを持つと小走りしながら部屋をでて行った。

「いった…!!!」

部屋の扉をしめて、廊下をでたときつまずいたらしく、少女の声が部屋の外から聞こえてきた。

「おい…大丈夫か…?」

彼が、部屋の扉を開けると、転んでいた少女に扉がぶつかった。