「こんな遅くにごめんなさいっ…。あ…仕事…してた……?」

「いや…構わない。どうした…?」

彼は、前髪を肩手で掴みあげながら、少女のキラキラした目を、微笑みながら見ていた。

「あのねっ!私、樺羅さんにお願いしたい事があって…」

「俺に…?」

「うん!!明日ハザカット区まで行きたいんだけど、一緒につき合ってくれないかな…?」

ハザカット区とは、隣の街ではあるが、何もない所だった。

「明日…?
いや、俺は別に構わないが……学校は大丈夫なのか…?」

「大丈夫…!明日から夏休みだから。」