彼は、少女の表情を気にしながら、部屋の中に入り、机の前にある、背もたれがある黒い牛の皮でつくられた椅子に腰かけた。
少女は、彼が椅子に座るのを見て、ベッドの前まで行き、ベッドの上で体操座りをした。

「……今日、1日食事はどうしたんだ…?」

彼は、少女の後ろの締め切られたカーテンを見つめながら尋ねた。

「…ん??
…持って来た、食べ物を食べたよ…?」

「そうか…。…これ、勝手に使っていいから、明日からは好きな物を食べに言って来るといい。服や生活に必要な物は、それで好きなように買っていい。」

彼は、ベッドの上に移って腰を下ろし、手に持っていたカードを少女の前まで差し出した。

けれど、少女は首を振って受け取らなかった。

「いらない。私、これ以上樺羅さんに迷惑かけたくないから。。大丈夫。バイトして、自分の事はなんとかするから…。」