地下室の前で、血のついた服を まだ着用していた事に気づき、焦りながら用意していたジャージを着た。
ジャージに着替えるのは、あの少女がこの家に住んでいるからだった。
彼は、疲れた表情で、階段を上り 一階の階段の前までつくと、階段のわきにある小さなテーブルに目をやった。
そこには、昼間 置いていったカードが置かれていた。
彼は、それを見るとカードを取り、急いで少女のいる十階へ向かった。
―トントン。
彼は少し息をきらしながら、彼女に貸している部屋をノックした。
「…はい。」
部屋の中から、眠たそうな少女の声が聞こえてきた。