彼は、食いつくたぶに、溢れ出すようにとびだす血を見ても、ドロドロとした臓器を見ても、何も感じなかった。

ただただ、鋭く尖った歯で勢いよく食べていた。

真っ暗でひんやりした地下室―。


―彼は、食事が終わると、床に飛び散った血をふきとった。
いつもは、焼き道具を使っていたが、今日は使わなかった。
混乱していたので、全て生で食べたのだ。

―地下室は、いつもと同じ 空間へと戻った。

彼は、息をゆっくりと吐き、ロックをとき、地下室を出た。