「くそっ……。何なんだ……。」

彼は、ベッドに座り込み、髪の毛をかき分けながらはき捨てるように呟いた。

頭の中には、怯えきった少女の顔がインプットされていた。
昨日 会ったばかりの 少女が、何でこんなにも俺の心を混乱させるんだよ…
そうイライラしながら、ゆっくりと立ち上がり、高級スーツに着替えた。
そして、会社へ行く支度をし、カードを財布から取り出して、一階へ下りて行った。

けれど、少女の姿はなかった。
きっと、十階まで戻ったのだろう。
そう思いながら、階段の脇にある小さな金で出来たテーブルにカードを置き、玄関で皮靴を履き、屋敷をでると、扉に鍵をしめると会社に向かった。