屋敷の中は暗く、辺りが余り見えなかった。

「すまないな。今、電気をつけよう。」

そう言って、電気のスイッチをいれた。

「…この暗闇で、よくスイッチの場所がわかったわね…。」

少女は、関心するようにそう言った。

「まぁ…この家に長く住んでいるからな。」

彼は、少し焦った口調でそう答えた。
いくら住み慣れていったって、誰であっても、暗闇の中であれば、手探りでスイッチを探すはず。
けれど、彼は正確にスイッチを押した。
これは偶然なんかではない。
彼は、暗闇の中でも辺りがはっきりと見えるのだ。
何故なら、彼は、闇から生まれた悪魔なのだから…。