彼は、土砂降りの雨にうたれているのにも気にせず、黙って少女を見つめた。

「…ごめ…ん…なさい…。
……私…家族に捨てられて…。
気持ちが舞い上がってて…。」

少女はそう言いながら、目をゴシゴシこすった。

「…………。。」

「不良になりきろうって…思って。不良の子とかって…普通に家出しても生きていける子もいるって…そんな甘い事考えてたから……。」

「…一人…か…。
俺の家…空いてる部屋が沢山あるけど…。」

そう口にしながら、自分の言った言葉の意味が、自分でも理解できずにいた。