それから、彼はタオルを首に巻き付け、少女のいる部屋へと十階まで足を運んだ。

人間を食べた直後ではなく、人間を食べた後少女に会う時に感じる罪悪感。

彼は、唾をのみこむと、少女のいる部屋のドアをノックした。

時間は午後12時を回っていた。

トントン―…
ノックの音が静寂な廊下に響きわたる。

「ん?樺羅さん?」

少女のいつもと変わらぬ明るい声が、彼の心を安心させた。

「あぁ。」

少女は、慌てながらドアを開けた。

「お帰りなさい!」

そう言いながら、彼を部屋の中へ向かい入れた。