彼がそう言っても、少女は顔をあげようとしない。

この少女の考えていることがわからず、戸惑いを顔にだしていた。
彼にとって、こんな感情初めてだった…。
人間が食べ物ではなく、‘人間’として思えている。

「…………。
なんなんだよ…。
俺をおちょくってんのか…?」

彼が、少女の肩に手をのせると、小刻みに体が揺れているのがわかった。

「……お前……。。
もしかして…泣いてるのか…?」

驚いたように彼は少女の顔を、覗きこむ。
鼻は赤く染まり、目は充血し、大量の涙が頬をつたっていた。