だが、彼はその女の顔の真っ正面から、ガブリと大きく鋭い歯で、かぶりついた。

女の顔は、一瞬で原型を失い、顔の縦三分の一がなくなっていた。

女は即死。
顔からは、血が飛び散り、座っていたベンチに血がついた。

彼は、頭蓋骨をバリバリと噛み砕くと、首から下だけ残っている女の体を眺めた。

彼は、いつもとは違う感覚を持ち、食べた女の脳みその液が混じったものを口から吐きだした。

顔だけついていない女の体。
いつもならこんな姿を見ても何も感じない。

だが、今は その体を見るだけで吐き気に襲われた。