彼は、残業をしている社員達に後の仕事を任せると、咳こみながら会社を後にした。

繁華街を歩くと、行きゆく女達がチラチラと彼のことを見る。

彼は、単純そうで一人でいる女に目をつけ、軽く視線をやった。

その女は、糸も簡単に彼に引きつけられるように近づいてきた。

彼が、
「今から一緒にブラブラしないか?」
と作り笑いを見せると、その女は嬉しそうにOKした。

彼は、その女を人気のない公園の前まで連れて行った。

その女は楽しそうに、自分の素性について、彼に陽気に話していた。

「ねぇ…この後さ…」

その女がそう言いかけたその時、彼はキスするかのように顔を近づけた。

その女は、キスされるものだと思い、瞳を閉じる。