だが召使い達は、命令に背き、悪魔の姿をした王子に鏡を使い、光を浴びせた。

すると王子の体から、悪魔が抜け出し、悪魔と王子の心が入れ替わった。

“悪魔は人間を騙すのを楽しみながら生きてゆく。
だが、その姿は、人間の姿をしていようと悪魔にしか見えない。”

そう、英語で書かれた文字が、画面いっばいに出て、映画は終了した。

彼はその映画を見ながら、胸が何度もしめ付けられる感覚におそわれた。

「…悪魔って怖いね…」

隣で少女がそう呟いた。
彼は複雑な気持ちを、胸に抱きながら、
「そうだな…」
と相づちをうった。