だが、ある日の夜、疑い深い王子が護衛や召使い達の目を盗んで、地下の部屋へはいってしまう。

ランプを持っていたが、その部屋には電気がついてなく、真っ暗だった。

「やはりあの噂は偽りだったんだな。」

そう言って、腹をかかえながら笑っていると、カタカタとどこからか音がした。

王子が部屋のあたりをランプを灯しながら歩くと、何もない部屋の真ん中に、ポツンと錆び付いた鎖で何回もまかれている古そうな箱を見つけた。
その箱は、王子の声に反応するかのように、ガタガタと激しく動いていた。

何かがこの箱の中に入っているに違いない。
そう思った王子は、恐怖よりも好奇心にかられ、鎖を外し、箱を開けてしまう。