「………あ…」
彼は、何を言っていいのかが解らず、言葉が詰まって次の言葉が、でてこなかった。
「お風呂からでたら、ここで待ち合わせね…?」
そう言って、薄く微笑みを見せると、彼の言葉の続きを聞かずに、女湯と書かれたのれんをくぐり、浴室へ入っていった。
「何なんだよ…」
彼は、そう呟くと、壁にもたれかかった。
胸の鼓動が早くなり、息が苦しくなる。
もやもやした、晴れない気持ちが彼の胸の中をかけ巡る。
こんな気持ちになったのは初めてで、胸のあたりを手で抑えながら、髪をかきあげ、ため息をついた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…