「うぅ…まだ眠たいのにぃ…」

「ったく…ほら。」

彼は、なかなかベッドから立ち上がろうとしない少女に向けて、手を差し伸べた。

「…え…あ…ありがとう…」

少女は、嬉しさとともにわき出たにやけを隠すように、うつむきながら彼の手を握りしめ、ゆっくりとベッドから立ち上がった。

「……っ…
早く支度して行くぞ…?」

彼は、少し焦りながら手を離し、背を向けながらそう言った。
少女の寝起き姿は、色っぽくいつもと違って大人らしさがあり、間近で少女の姿を見て、鼓動がとても早まり、抱きしめたいという衝動にかられたからだ。