少女は、口を押さえながら欠伸をした。
そして、寝起きで潤んだ瞳をキョロキョロさせながら、

「あ、そっかぁ…ここ、ホテルなんだ…」

と、ぼやいた。

「ククッ…なんだそれ…。
寝ぼけるのもいいが、朝食のバイキングの時間に間に合うように、朝風呂にでも入って来たらどうだ?」

「え?お風呂…?」

「あぁ…昨日疲れてそのまま寝ただろ…?俺も入ってくるから。」

彼は時間を気にしながら、着替えとバスタオルとタオルを脇に挟み、最上階にある風呂場へ向かう準備をした。