花火は、最初の一発に加えて、次々と打ち上げられた。

会社の中から花火を眺めるのと、少女と肩を並べながら外で花火を眺めるのとでは、全く違っていて、花火を眺めてこんなに感動したのは始めてだった。

彼は、目を輝かせながら花火を見る少女の隣で、今日初めて“来て良かった”と心の底から感じた。

「ねぇ、樺羅さん…」

花火を眺めながら、少女は彼を呼びかけた。

「ん…?」

「今日はありがと。」

そう言いながら、少女は彼に対してニッコリと微笑みかけた。

「……何言ってんだよ。」