「………。
太鼓の音は、心が落ち着くな。。」

彼はそう話を逸らしながら、さっきあった出来事を頭の中で思い浮かべていた。
あの化け物が俺…。
あの暗闇の場所は俺の心の中じゃない。
夜奈と、これ以上深い関係にはなってはいけない。
何一つ理解ができなく、彼はまた混乱状態に陥っていた。

その時、太鼓の音が止み、花火が空に打ちあがった。

空に大きな花を描くように、とても美しい光景だった。

「きれぇー…」

少女が隣でそう呟いた。

「あぁ…すごい迫力だな…」

彼もまた、花火にあっけにとられた。