「ねぇ!樺羅さん…」 少女は、不安げな表情を浮かべながら彼の腕をユサユサと横に揺らしていた。 彼は意識が戻ると、閉じていたらしい瞼を開け夜奈の方に視線をやった。 「……ん…」 「………。 樺羅さん……?」 少女は心配そうに、呼びかけた。 「……すまない…。 少しボーっとしたみたいだ…。」 「疲れてるんだよ…きっと…。」 少女は、彼が応答したことにより安心し、腕から手を離した。