「…あー…呼びだすタイミングが、悪かったみてぇだな。」

その化物は、首を傾けながらそう言った。

「ったく、また違う時にお前を呼びよせるしかねぇか。」

「はっ?
待てよ。
全く言ってる意味が理解できない。
ちゃんと説明しろよ!」

彼は、その化物の肩を両手でつかみ、ゆさゆさと揺らした。

「うをぉっと、待てっ!落ち着けって!お前、夜奈って子がすげぇ心配してっから、早くお前の意識を戻してやらねぇとな。」

化物は落ち着いたようにそう言った。

「夜奈が心配してる…?
そうか、俺は夏祭りの屋台にいたのに、勝手に俺自身の心の中にお前に呼び出されちまったって訳か。」