さようなら、あたしの初恋【短】




一人ブツブツと文句を言っていると、隣に気配を感じた。



誰だろ…




















………………っ!!!!







まさかのまさかの聖夜??


なんでよりによって聖夜なんだろ。


するといつも聖夜の周りを独占している何人かのうちのリーダーらしき人に…

確か山田………さん??
だったっけ??

まぁその人に

「松本さーん。
悪いんだけどその席とあたしの席変わってくれない??」

って言われた。


山田さんが座ってる隣の席を見ると、なんと幸ちゃんが座っていた。


「よろこ「ダメだ!!席の変わりあいはなしに決まってるじゃないか。」」

ってあたしの声を遮って先生が声を上げた。






あたしは全然よかったのに…


喜んで変わるのに…







結局先生が許してくれなかったため聖夜が左にいて、幸ちゃんとか離れたままになっちゃった。



一人落ち込んでいると隣から、やたら視線を感じた。


チラッと見ると目があった。



すぐ逸らされたけど…



あぁ~これから大丈夫なのかな。好きになっちゃったらどうしよう。




ってそんなわけないか…








それでもまた視線を感じたからあたしは思い切って首ごと聖夜に向けた。


さすがバッチリ目があっちゃって、喋るしかない感じ。


だからあたしは聖夜に話し掛けた。



後から後悔することになるのに…




「あのーっ……………。始めまして、松本美紀って言います。これからよろしくね?」

あたしが軽く自己紹介をすると、聖夜の口が動いた。


でもその一言であたしは頭を金づちで叩かれた気分になった。











「馴れ馴れしく話し掛けてくんなよ。何??俺があんたを見てるとでも思ったのかよ。自惚れなんよな。」


最後にフッと鼻で笑わって聖夜は前を向いた。




酷い――――――――






『自惚れんなんよな』

か……………



でも絶対あたしのこと見てたよね。

ってこれが自惚れてるのか。



馬鹿だなぁ、あたし。


喋りかけなかったら良かった。









でもあたしが喋りかけて1つ分かったことがあるの。



それは











聖夜はあたしのことを絶対に覚えていない。

ということ。




悔しい…
涙が出るのを必死に堪え、口の中が鉄の味でいっぱいになった。