「そっか~
 じゃぁ、教室行こうよ」

「ちょっと先行ってて。
 アタシ、トイレ行ってくるから。
 あ、1-3ね」

「あ、うん。わかったぁ~」





アタシが教室に向かって歩き出すと、
一際目立つ男の人を見つけた。


あの人・・・誰だろう?

アタシがその人をジっと見ていると、
男の人はアタシに気づいて近づいてきた。



「なんか・・・用?」

「え・・・うんん。別に・・・」


その人はアタシの顔を見つめると、口の端を持ち上げて、フっと笑った。




「お前さ、名前なんていうの?
 てか何組?」

「え。あ、沢田 愛羅・・・デス。
 3組の・・・」

「へぇ~、じゃぁ、よろしく」

「え?うん・・・よろしく」


なんで、よろしく?
と思いながら頭を下げた。