ドンッと勢いよく押して離そうとしたつもりが、本石君はびくとも動かない。

本石君:「俺を見て下さい。生徒としてじゃなく…。俺はマジで吉崎先生を見てます。ずっと気付いてほしかった…。」

押した両手を捕まれ、私が動けなくなってしまった。


ちょ、ちょ、ちょっと待って!それってつまり…つまりその…

本石君:「分かりませんか?好きなんス。吉崎先生が。」


「!!」


ど、…どうしようーー!!


と、とりあえず、冷静に、冷静に……答えを……


「ご、ごめんね、本石君…。私には、ずっと付き合ってる人がいて…。」


そう!申し訳ないけど私には、恭先生がいるから…。分かってくれるよね?


本石君:「別れてください!俺には、先生しか見えない!先生好きだ!我慢できない!!!」

え゙!!?

そう叫んだ本石君にガバッと、力強く抱きしめられ、あまりの力強さに身動き取れず、苦しくなる。

「う、…!も、もと……い…」




恭先生:「もーーーーとーーーーいーーーーしーーーーーー!」



本石君:「なっ!!?」


と恭先生の声とともに、抱きしめられていた本石君の体がグイッと離され解放されホッとする私。