次の日、


外は雨が降っていた。



少し久々の
雨。



彩夏に
昨日の話を
したら、

鼻血を
出しそうなぐらい、
興奮していた。


「そんな事大西君にされたら、私意識失うかも!!」


そう言って、
顔を
真っ赤にしていた。


今日は雨で
いつもより
学校に着くのが
遅れてしまった。



ドクン…。



坂口君が
外を眺めながら、
すでに
席に座っていた。


「おはよ。」

「…ああ。」


いつになく、
低いテンション。


「あのさ、昨日のへこんでないなら…ってどうゆう意味?」


単刀直入に
聞いてみた。


「…。」


ゆっくり
こちらに
振り返る。


「だ…」


何か言いかけた
その瞬間、


「坂口ー!!」


大きな声と、
同時に坂口君が
顔をしかめた。


「なんだよ。でかい声で。」


小林さんだった。

爽やかな笑顔で
坂口君に
近づいてきた。


「昨日あんたのお母さんと話してたでしょ?」

「ああ。」


坂口君の
目の前に立って、
軽くウインク
してみせる。


「それで結局陸上部に入る事にしたよー。」

「…それをいちいち俺に言う必要ないだろ。」

「だーかーらー。あんたのお母さんに、ありがとうございましたって言っといて欲しいの!!」

「はいはい。」

「何よ、その言い方。」


まるでカップルの
痴話げんかだ。

なんか無性に
疎外感を感じて、
視線を
窓の外に向ける。


「…それと、俺に黙って俺の家に来んな。」




ばきっ。




何かが
折れる音。


どこも
壊れてはいない。


ああ。


私の心が
折れた音だ…。


これって
振られたのかな…。


わかんないけど、

なんか
すごく
ダメージうけた。



うまく笑えない。



少し顔を上げると、

明るい表情の
小林さんが
目の前に
あった。