自分でも驚いた。


何を
聞いているのか。


何だか
自分の行動が
理解できない。



彩夏はそんな
私を見ながら、
少し驚いた
表情をして、


「なんだか、そうだなー…。寂しそうっていうか、不安そうっていうか…。昨日の放課後からずっとだよ。」


そう言いながら
風の吹いてくる方へ
体を向けた。


「寂しそう…。」


ああ。

私は昨日の
笑顔を見てから、
寂しそうな表情
をしていたのか。


寂しいのかな。


でも確かに、
何か満たされない
気持ちが
心にうずいている。


それを
打ち明けて
みようか。


親友に…。


「あのね、昨日初めて坂口君の笑った顔見たんだ。」

「まじで?!すごいね。男子と話してる時以外で笑ってるのなんて、見た事ないよ。」

「うん。私もそう思った。でね、なんていうか、この笑顔を小林さんも見た事あるのかなーって…。一瞬思った。でも、なんていうか、それより…」

「ふーん…。」


彩夏は
獲物を見つけた
ハイエナの
ような顔で

私をゆっくり
微笑みながら
見てくる。



「嫉妬してんだっ。」



そして
はじけるように
そう言い放った。