担任が出席をとり終え
ゆっくりと退出し、

一時間目の先生が
来るまでの時間

彩夏と
くだらない話をして
盛り上がった。


「起立。礼。」


先生が来て
日直の大きな声が
教室に響く。


一時間目の
授業が始まった。


最初の授業は
嫌いな歴史！

最悪！！


先生は黒板に
記述を始めていた。


はぁ…。



一つため息をつき、
ノートを取り出す。



「あ…。」



ん？

なんか
声が聞こえた。

しかも
前の方から…。


ノートを探す
手を止め、
前を向く。

すると、
坂口君が
こちらを
向いていた。


「な、何？」


動揺し、
ひそひそ声で
話しかける。


「これ…。」


坂口君が
何か差し出してきた。


それは
坂口君のノート。


しかも
歴史のノートでもない。


「…え？」


意味が分からず
坂口君を見つめる。


「昨日の5時間目のノート。」

「あ！」


そうか。

昨日5時間目
いなかったから…。




昨日の傷が
また少し痛んだ。