「……真李亜。今はそんなこと考えなくていいんだよ。」

「え?」

「クスッ…俺も昔は同じ事を思ったな。万里子とこれから運命を共に過ごせていけるのか?何かが変わってしまったらどうすればいいんだ?ってな。」

「……それで、お父さんはどうしたの。」

「フッ……考えるのを止めた。」

「……えぇ!?」

「だって、これから先の事を今知る必要はないだろ?これから2人でゆっくりと力を合わせて乗り越えて行けばいいのかもな、って思ったんだよ。苦しいときも悲しい時も万里子となら乗り越えられる!そう思ってな、考えるのを止めたんだよ。今知らなくてもこれから2人で一緒に同じものを見て、知って、助け合って絆を深めていけばそれでいい…そう思ったんだよ。」

「だから真李亜も同じように巧とゆっくり、夫婦としての絆を深めていけばいい。恋人としての絆は終わった。今度はさらに強い夫婦としての絆を少しずつ深めていけばおのずと答えは見えてくるんだ。」

真李亜の肩に手を置いて言った。