「どうなんだよ」




急かされる質問の答え。



だからと言って、急にそんな事を聞かれても花音とて戸惑うのは当然だろう。




「…何でそんな事聞くの?」




こう花音が訊ねるのも無理は無い。




「実はな…」




ポツリと、カイルが呟く声が耳に届き、花音はじっとその声に耳を澄ませた。




「…さっき。お前にキスしたろ。この国じゃキスすれば結婚の約束をした事になる。だから、今俺と花音はいわば婚約者の状態なんだ」




「………は?」




紡がれる言葉に漏れるのは淡白な疑問。