その言葉に首を傾げればカイルが開き直った様に声を出した。




「…っ、大体なぁ!何で俺の幸せとか願ってんだよ!そんなの花音に何のメリットもねぇだろ!」




こちらを睨みつけるその目に戸惑いが窺えて。



花音はポツリと呟いた。




「…だって。カイルが帰りたいって言うから…」



「……は?」



「それに…っ、婚約者だって待たせてるんでしょ?!だったら…、」





いつまでも縛るわけにいかないじゃない。




そう続けようとした花音に聞こえてきたのは盛大な溜息。