翌日になり、熱が下がった事を告げればカイルはまるで自分の事の様に喜んでくれた。



それがどこか気恥ずかしくて、だけど素直に嬉しくて。



念のためにこの日もバイトを休んでいた花音は一日カイルと共に過ごした。





二人で笑って、他愛も無い話で喧嘩をして。



だけどその喧嘩だって、二人には楽しくて。





花音の心はもう決まっている。



カイルを解放してやらなければいけない。



夢にまで出てくる名前を聞いてしまったからには尚更。



なのに、たった一歩の勇気が出ない。