あまりにも自分本位な考えなのだ。



その所為でカイルの足止めをしてしまっている。



それがわかっているからこそ、花音は辛い。



だけど。





「花音!終わったかー?」





こうして笑顔を向けてくれる事。



毎日バイトが終わる時間に迎えに来てくれる事。



馬鹿な話で笑い合う事も、子供みたいな喧嘩のやりとりも。



全部全部、花音の人生には長い間無かった温かな物だった。