そこからの記憶は無かった。



ただ気が付いた時には病院のベッドに横になっていて。



後から話を聞いた限りでは花音の声に驚いた隣に住む知人が様子を見にきてくれたらしい。



その人物が警察を呼んで気絶していた花音を病院へと運んで。



両親の自殺現場を見たショックからか、花音は声を失った。



それでも、カウンセリングやリハビリを受けて今では普通に話す事が可能になっているが。






両親の自殺の原因は多額の借金だったという。



知人の身元保証人になった事がきっかけだったらしいのだが、結果その知人は多額の借金を残して逃げた。



そしてその借金を押し付けられたばかりに花音の両親は死ぬ運命を辿ってしまったのだ。