「まぁ、」



ポン、と頭に手が乗ってそれがカイルの手であるという事に気付く。




「そんな悩む程考えんなよ。こっちの世界は食べる物も上手いし。それなりに俺も楽しんでるから」




そう言いながら優しく笑ったカイルに花音の心臓が僅かに跳ね上がった。



普段より至近距離で見るその顔はやはり美しく端整で、無駄な箇所が一つとして見当たらない。



絡んだままの視線が逸らせないのはどうしてか。









「…ふっ、はは、あははははは!」



突然笑い出したカイルに花音は肩を強張らせて驚いてしまった。