「あはははははは」



「もう!いい加減笑うのやめなさいよね!」




あの後。



家に逃げ帰ってからもカイルはずっと笑ったままで。



それに対して苛立ちを覚えながらこうして言葉を投げかけているにも関わらずカイルはその笑いを止めようとはしない。




「大体。俺前に言ったろ?花音以外には見えないんだって」



「……忘れてたのよ」




この家以外でカイルの姿を見てしまい焦ってしまったのか、カイルが言葉にするまですっかり頭から抜けてしまっていた。



それにしたって、バイトの店先であんな醜態を晒す事になろうとは。



明日からのバイトの事を考えて憂鬱になる花音であった。