あの日。



15年前。



老婦人に貰った物を掲げて意気揚々と花音は家に帰った。



母に自慢したくて仕方無くて。



大きな音を出して扉を開けて家の中に入り、違和感を感じたのだ。



「ただいま!」と元気に声を出したにも関わらず母からは何の返事も無い。




不思議に思いながら家の中に進んだ花音の目の前に現れたのは―――、





「……おかーさん?おとーさん?」





首を吊った両親の姿。





「…っ、ゃ、やぁ…いやぁああああ!!!」