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「お疲れ様でした！」



「はーい、お疲れ様！外暗いから気をつけて帰ってね」





２３時。




居酒屋でのバイトを終えた花音が店の外に出れば、フワフワと浮かびながらこちらを見るカイルと目が合った。





「おーい！花音！迎えに来てやったぞー」





満面の笑みでブンブンと手を振りながら大声を出すカイルに思わず花音は叫んでしまう。





「ちょっ…！アンタ何やってんの？！ていうか、浮かんでちゃ駄目でしょうが！何で店の場所知ってんの？！」





まくしたててカイルの元へと近づけば通行人がチラチラとこちらを見ているのがわかった。




それでも、花音の頭にはこんな浮いた人間を人目に晒すわけにはいかないという気持ちの方が強かったのだろう。