「特に食べる必要は無い」と答えたにも関わらず、カイルは花音の食事の際には共に食事をする。




それはカイルが花音の前に現れた日の夜の事。



手軽にインスタントラーメンで済まそうと考えた花音の手元をジっと覗き込むカイルに花音はどうにも食べ辛くなって言葉を落とした。




『…一口食べてみる？』




途端パァっとカイルの顔が明るくなり、カップラーメンを差し出せばカイルは感動とも取れる表情を浮かべて声を出したのだ。




『……うんまっ！人間て毎日コレ食べんのか？俺もこれから食べたい』




こんなところで人間についての間違った知識を植えつけてしまっては全国の皆様に申し訳無い。




『…これからはとりあえず、ちゃんとした物作るわ、』




花音は心にそう誓ったのだった。