「何?」




その表情を不思議に思い花音が声をかけてもカイルの口からは何の返事もない。




「カイル?」



「お前は…」





二人が声を出したのは同時だった。



そして次の言葉を発したのはカイル。




「お前にはアレが綺麗に見えたのか?」




その表情は未だ固いまま。



元々の美しさ故、その表情さえも瞳が捕われてしまいそうになるのに、その目があまりにも険しくて僅かに心配になった。



カイルがここに来てそんな真剣な目を見せたのは初めてだったから。