「つまり。さっきも言ったけど俺、一応罰として人間の願い叶えてんのね。で、姿現すまではあの容器に魔力で封じ込められてるわけ。でも人間の吹く息でとりあえず魔力が仮解放されてシャボン玉って形になるんだわ。でもって人間がちゃんと触れば魔力は完全に解放されて俺は元の姿になる事が出来る」




「…なるほど、」




「で。解いた人間の願いを叶えるまではずっと傍に居なきゃいけないって魔法もかけられてるから放棄とかは無理。つーか、お前も願い事の一つや二つあんだろ?人間って欲深いんじゃねぇのかよ」




そんな事を言われても、という気持ちは存分にあるのだが今の言い分だと願い事を決める事の出来ない花音に非がありそうだ。



そして花音が何かを願うまでカイルはここで足止めを食らうというのなら尚更。




「…すみませんね、」




そんな無愛想な謝罪を告げればカイルはこちらを一瞥して言葉を落とした。




「…まぁいい。とりあえず決まればすぐに言え」