「ねぇ、カイル」



「何?決まった?」




先ほどまでの言葉遣いは最早欠片も見当たらない。



変わり身の早さに僅か感心を覚えながらも花音は疑問を口にする。





「アンタ…、何で皇子なのに人間の願い事叶えたりしてんの?」





その言葉にカイルの眉が一瞬ピキっと引き攣ったのがわかった。




「お前。…それを聞くのか?」



「え、うん。知りたい」




引く様子の無い花音にカイルはどこかバツが悪そうに言葉を落とし始めた。