「…生き、てて欲しかった、」




耳に届いた声は今にも消えてしまいそうな程か弱いもの。




「…あの子の、部屋を訪れる度に…いつも、「死にたい」って…。わ、私は…いつもそれを宥めて…。どんなに苦しくても…辛かったとしても…、それでも…リルに生きてて欲しかった…」




泣き崩れる王妃を見ても今のカイルには同情の余地すら持てなかった。



代わりに芽生えるのはどう仕様もない苛立ち。




「あの子が自分で望んだわけじゃないんだって思いたかった…!貴方に…殺されたんだってそう思いたかった…!」




「…だから俺をずっと憎んでたのか?」




「…っ、ごめんなさい…、」



「ふざけんなよ!自分勝手なのはアンタじゃねぇかよ!知ってるって…そう言ってくれれば…そしたら俺は…」





リルを蔑む言葉なんて使わずに済んだ。