「…承知、だった?」



「えぇ。ですが、貴方様が禁忌の術を使いリル様を殺したという事もまた事実。だからこそ国王様は貴方を時空の闇に落とさずに人間界に送ったのです」




「なん、だよ、それ…」




まるで信じられない物を見たようなカイルの目には国王が映し出されていた。



国王の取った行動は決して間違いでは無い。



禁忌の術を犯したカイルを時空の闇に落とさなかった事も国王なりの父としての優しさ。



カイルとてそれはわかっている。



だが、その成り行きを承知しているとカイルに伝えてもよかったハズだ。



それだけで、カイルの気持ちは随分と変わっていたハズなのに。



なのに、それを敢えて気付いていないフリをしていたという。



そしてその事実はカイルを絶望させるには十分すぎる物だった。




「…カイル。…すまなかった、」





国王のその言葉はジークの言葉を肯定するもので。